第47期

山元啓司さん

スイス スイス連邦工科大学チューリッヒ校
(大阪大学大学院基礎工学研究科 博士後期課程)
2017年4月~2018年3月

私は2016年の4月から2018年の3月まで、Christophe Copéret教授のもと博士研究員としてスイス連邦工科大学チューリッヒ校に勤務しました。私は博士号を取得する以前は均一系触媒に関する研究に従事しておりましたが、不均一系触媒に関する知識やノウハウを身につけることが触媒という分野を極める上で必須であると感じておりました。幸いにもCopéret教授に快諾していただいたこともあり、スイスに渡航することに致しました。

研究課題として、①表面有機金属化学的なアプローチによるオレフィンメタセシス触媒の開発、②NMR ケミカルシフトと化学反応の関連性に関する研究、を設定し研究に励みました。これらの研究にあたり、触媒の表面化学種を評価する手法を学ぶことができたことに大変満足しております。2018年4月現在において、海外学術誌6報、特許1件の発表に至りました。

私の住んでいたチューリッヒは世界で有数のインターナショナルな街であり、およそ25%が外国人であると言われています。そのため、ドイツ語圏であるのにも関わらず、多くの場所で英語を利用することができます。日本人もたくさん住んでおり、ホールでの音楽会、チューリッヒ湖畔でのBBQなど交流の場もたくさん用意されています。ヨーロッパ若手研究者発表会という若手研究者が研究発表をし、互いに知識の裾野を広める機会もありました。これは私の研究人生の財産になるでしょう。妻はチューリッヒ在住の女性向けのインテグレーションに参加し、たくさんの同世代の友人を作ることができ、スイスでの生活を満喫できました。

最後になりますが、村田海外留学奨学会、特に事務局の皆様には大変お世話になりました。この場をお借りして感謝申し上げます。昨今では、日本人の留学離れが度々取り上げられますが、是非奨学会様には一人でも多くの奨学生をご支援していただけると、奨学生OBとして嬉しく思います。