第37期

高橋泰岳さん

独国インテリジェントシステム研究所
(大阪大学大学院 工学研究科 知能・機能創成工学専攻助手)
2006年6月~2007年9月

2006年6月より2007年9月まで、村田海外留学奨学会の支援を受け、ドイツのFraunhofer IAIS(Intelligent Analysis and Information Systems)に滞在する機会を得ました。

Fraunhofer IAISはドイツ国内に40箇所、56機関の研究所をもつFraunhoferグループのひとつの機関です。ボン郊外のSankt Augustinにあり、Schloss Birlinghovenと呼ばれる城があるキャンパスで、約240人の科学者、エンジニア、事務員が働いていました。研究所では様々な工作機械を備えたワークショップと専門の技術職員が複数人おり、研究に必要なロボットや機材を迅速に構築するシステムが整っています。
様々な分野の専門家が在籍し、オフィスのドアは在室時には大抵開けっぱなしで、気軽に声をかけたり、相談しあえるような環境でした。近隣の大学から学生を受け入れており、その学生の出身地も様々で、たとえばイタリア、インド、ロシア、中国など多彩でした。

研究所での生活スタイルはといえば、朝早くきて仕事を集中してこなし、夕方は早く帰って家族とともに過ごす時間を大切にする人が大半でした。夏は日が長いため、自分はついつい仕事部屋に長く居がちでしたが、ある日、隣の部屋の研究所の事務長から「なぜ早く帰って人生を楽しまないのか」と怒られたり、研究所の所長から「あまり遅くまで仕事をしてはいけない」とたしなめられたこともありました。
研究所の所長は合気道の有段者でもあり、毎週土曜日に指導員として合気道と居合道を教えており、自分はそれまで全く経験はありませんでしたが、誘われて一度練習をさせてもらったところ、非常に面白く、以後、毎週ボン市内にある道場に習いに行くことになりました。

ボンはこぢんまりとした緑豊かな町で、博物館や美術館も多く、非常に魅力的な町です。滞在中には多くのことを学び、自身の研究に集中でき、充実した生活を送ることができました。今回の海外長期滞在にあたりご協力いただいた皆様方すべてに心から感謝しています。