第45期
菅原勇貴さん
(東京工業大学 総合理工学研究科 化学環境学専攻 博士後期課程3年)
2014年4月~2015年3月
私はドイツ連邦共和国のカールスルーエ 工科大学、工業化学・高分子化学科のChristopher Barner-Kowollik 教授の研究室に博士研究員として滞在しています。私は学位取得後には海外で研究者として武者修行したいと考えていました。学部と博士課程の期間にドイツ語を勉強していたため、生活には割と早く馴染むことができたと思います。
当研究室は博士課程学生およそ30人、博士研究員およそ8人という大所帯。所有する部屋は3つのキャンパス・6つの建物に分かれていました。研究テーマとしては、新規な光化学反応の開発に取り組みました。留学前までの自分の専門とは少々異なる分野で、即戦力にはなれず、博士研究員にもかかわらず新入生のように教えてもらう必要がありました。そのため「足を引っ張っている」「全然期待に応えられていない」という気持ちが続いていました。それでも長い目で見て下さった教授やメンバーには非常に感謝しています。
留学してみて思ったのは、やはり日本とドイツの研究スタイルの違いは歴然としているということです。双方とも善し悪しがあり、双方のよい所を折衷し自分なりのスタイルを確立すればいいのではないかと思いました。また歴史・言語・文化など見るもの聞くもの全て興味深く、日常生活を含めて充実した研究生活を送りました。1年間の留学によって研究スキルだけでなく、人間としても鍛えられたように思います。この経験は今後必ず活きると思っています。
村田海外留学奨学会からは生活費だけではなく研究備品や専門書などの購入費用もご支援いただきました。年末年始のお手紙を頂戴した時は大変感激し、また事務局の方とのメールのやりとりにより自分が見守られているように感じ、異国での自身初の単身生活において心の支えとなったように思います。村田海外留学奨学会の皆様に改めまして御礼申し上げます。