第45期
若生将史さん
(京都大学大学院 情報学研究科 複雑系科学専攻 博士後期課程2年)
2015年4月~2016年2月
私は、2014年4月から2016年2月までアメリカ合衆国のカリフォルニア大学サンタバーバラ校に滞在しました。この期間のうち、2015年4月から2016年2月まで村田海外留学奨学会よりご支援いただきました。所属研究室は、Department of Electrical and Computer EngineeringのJoao P. Hespanha教授の研究室で、ネットワークを介した制御システムの研究を行いました。
私が海外留学を志した理由は、学位取得後に海外で修行をし、様々なバックグランドをもつ研究者と交流したいと思っていたからです。私の大学院時代の恩師である山本裕教授は、フロリダ大学でPh. D.を取得なさっており、現在も国内外問わず多くの研究者と親しくされています。実際、今回の受入先であるHespanha教授も山本教授のご紹介によるものです。学生時代にそのような恩師の姿を見て、留学を決意しました。
留学先では、まず切替システムや量子化といった、離散的ダイナミクスに関する研究を行っておりました。その後、同期誤差を考慮した制御系の設計やシステムセキュリティの研究にも携わることができ、異なる分野の研究者とのディスカッションを通じて研究の視野が広がりました。また毎週金曜日に開催されるセミナーでは、著名な研究者の発表があり、最先端の知識を幅広く得ることができました。若いうちに、このようなアクティブな研究環境に身をおくことができたことは、とても貴重な経験だと思います。
また、カリフォルニア大学サンタバーバラ校は、美しいビーチと自然の山々に囲まれた高級リゾート地に位置し、「最も天国に近いキャンパス」と称されています。研究に疲れた際には、散歩するだけで十分リラックスできました。また休日にはサイクリングやハイキング、バーベキューなども行い、とても充実した留学生活を送ることができました。
留学に際しては、村田海外留学奨学会の方々には大変お世話になりました。私はちょうど円安が進んでいた時期に渡米しており、留学生にとっては厳しい時期でした。しかし、村田海外留学奨学会のご支援のおかげで経済的な問題を気にせずに研究活動に専念でき、とても感謝しております。村田海外留学奨学会のご発展をお祈りするとともに、より多くの日本人研究者が海外留学を通じて科学技術の発展に寄与することを願っております。