下向成形使用上の注意点
- 金型情報設定違いによるワーク引掛り
サーボモータープレス(M2044EZは除外)や油圧プレス機では、成形型で連続ヒット時にNCの金型情報が成形の設定になっていなければ、成形部が金型に引っ掛り外れる場合があります。<図1> また、成形加工後に打抜きを行うと、上死点まで戻らない待機位置でワーク移動中に引掛る場合があります。
- 打抜き用ダイ穴への入り込みによるワーク引掛り
・板厚の厚いものや剛性のある成形が引掛ると、ワークホルダーからワークが外れる場合があります。
・成形が引掛りエグレた状態になったり望まない曲がりが生じます。<図2>
・最悪な場合にはワークが引掛りタレット内で曲がりクラッシュして、機械カバーの損傷やクラッシュしたワークがタレット内から外れなくなる事故を引き起こすこともあります。
- 打抜き用ダイ等との干渉
・バーリングやランスと異なり引掛りにくいエンボス形状でも、プログラムの関係で特定ダイの肩などに常時当たり擦れる場合そこに構成刃先が形成されてワークの裏傷になる場合もあります。<図3>
・下に出た成形部分がダイと干渉しワークが上下に振動して、通常では問題とならないミクロジョイントが外れる場合があります。<図3>
- テーブルのフリーベア・ブラシとの干渉
・ 成形部分がテーブルのフリーベアやブラシと干渉して、フリーベアを破損させたりブラシが機能しない長さに切れて短くなる場合があります。
- 歪み・反り
・加工ピッチが狭かったり多数個打つとワークが歪みます。<図4>下型ハイトを高くしますと歪みを回避出来ますが、ワークの裏面に傷が付き易くなります。
・ワークホルダーに近接した位置では歪みが生じる場合があります。
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