ダイホルダー付属のフリーベアやブラシの上端は、標準ダイの上面より出ていてワークが移動中に直接ダイに当たらない様に配慮されていますが、この基本に反する要因とフリーベアー周辺がワーク裏傷要因になります。
裏傷となる要因
- ダイホルダーのフリーベアーがウレタン製で、損傷していたり鉄粉等の付着によりワークが傷付く場合があります。又、ブラシの損傷や磨耗によりダイに直接ワークが当たり擦れ跡や傷になる場合もあります。
- 成形型の下型が、標準ダイの上面より僅かでも出ていれば、ワークとの擦れ跡が付いたり、下型上部のストリッパを傷付けその傷がワーク裏面を傷付けることになります。板厚が厚くなるほどワークの重さにより不利です。
- 旧機種でダイホルダーにフリーベアーがないタイプでは、ダイ上面に直接ワークが当たり擦れ跡や傷になる場合があります。
裏傷対策
- 損傷したフリーベアーやブラシを交換。
- 上向き成形型を使用する場合、本機が成形UP/DOWN機構付きの機種であれば、UP/DOWN成形型にする。
- 上向成形下型ストリッパ表面のコーティングしたものを使用。ご注文の際にご指示願います。TICコーティングを行い、ストリッパの表面を硬く(標準的なヤスリはかかりません)鏡面にする事によりワークが移動時の成形下型に滑らかに滑り上がります。特にカラー鋼板のt1以下で抜群の効果を発揮します。板厚が厚くなれば擦れ跡が残る場合もあり、又、ワークが常時擦れる為、寿命による交換も必要です。又、ステンレス材では鋼板よりも効果が薄れます。
- 下面センターパンチ型・上向ロケーターポイント型は低ハイトタイプにする。下型の高さを標準ダイと同じにする。ワークをたわませて打つことから、離れての目視だけではわかりませんが僅かな歪は生じます。
- 旧機種でダイホルダーにフリーベアーが無いタイプではフリーベアーを追加をする。旧機種の初期にはD以下のクランプカバーにフリーベアーが無い事から追加する必要があります。この場合クランプカバーを追加工し、各ダイホルダー毎にセットした状態でフリーベアーの高さを調整して組付ける必要があります。 M2044EZとC2000ではC,Dには付かず、更なる旧機種には取り付きません。
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